■ 特許要件とは
日本特許法によれば、特許を取得するためには、以下の特許要件を備えていなければならないとされています。
・特許法上の発明であること(2条1項)
・産業上利用可能性(29条本文)
・新規性(29条1項)
・進歩性(29条2項)
・先願主義(39条)
・拡大された先願(29条の2)
・公序良俗に反しないこと(32条)
・明細書および特許請求の範囲の記載要件(36条 第4項・第6項)
・出願の単一性(37条)
このうち、重要なポイントである、新規性、進歩性について、簡単に解説いたします。
■ 新規性とは?
新規性とは、その技術が、「まだ知られていない状態にあること」をいいます。
新規性がない技術は、特許を受けることはできません。つまり、いったん社会や他人に見せてしまった発明は、特許を受けることができません。したがいまして、特許出願や特許申請は、その技術を他人に見せる前(例えば、製品の発売前)に特許庁に提出しなければなりません。
■ 進歩性とは?
進歩性とは、その技術が、「簡単に思いつくものではないこと」をいいます。
進歩性がないと、特許出願は特許庁の審査官によって拒絶されます。つまり、特許を受けるためには、簡単には思いつかない技術でなければなりません。しかし、ちょっとした工夫であっても、簡単に思いつかないような小発明であっても、特許を受けることができることがあります。
■ 特許要件の審査
特許庁の審査官は、新規性や進歩性などの特許要件を審査をし、特許を付与するかどうかを判断します。審査の過程では、弁理士は、何回か反論の機会を与えられ、反論によって特許に結びつくことが多いです。