企業活動がグローバルに拡大し、海外での生産量や売上高が増加しつつある中、いかに国際的な特許侵害のリスクを回避したらよいだろうか。例えば、自社の製品が侵害となる外国特許を発見した場合にどう対応すべきか。米国・欧州・中国・韓国に同一発明について特許が付与されていた場合、すべての特許について無効手続に入ったらよいのか。そもそも、どのような無効手続が各国で可能なのか。米国の最新判例KSR事件等は、国際社会における特許性の判断をどのように変えたのか。また、予算など限られた条件で、いかに有効に特許を潰したらよいのか。本セミナーでは、特許の取り方に比べ情報が少ない、国際的な特許の潰し方に果敢に切り込んでみたいと考えている。豊富な外国特許の経験と国際人脈をベースに、より現実的かつ実務的な情報を紹介する。
■ 2008年9月26日(金)10:00~16:00
「国際特許の潰し方」
■ 講師
高岡IP特許事務所 代表弁理士 高岡亮一
■ ゲストスピーカ
欧州特許事務所パートナー特許弁護士
■ プログラム
1.総括:各国特許制度の特徴
・特許性に関する各国制度の立場の違い
・欧州におけるプロブレム・ソリューション・アプローチ
・米国におけるアンチ欧州アプローチ
・米国KSR事件が劇的に変えた無効手続
・特許分野で台頭するアジア諸国の動向
2.米国での無効手続
・こんな米国特許は弱い
・危険度が高い当事者系再審査
・査定系再審査は特許権者有利
・inequitable conductにより権利行使不能とは?
・KSRは何を変えたか――特許制度始まって以来の大きな変革
・KSR以降の無効主張のポイント
3.欧州での無効手続
・無効にし難い「特許の束」である欧州特許
・効果的な異議申立て制度
・異議申立て期間が過ぎたらどうするか?
・EPC2000が何を変えたか?――欧州統一特許への流れ
・プロブレム・ソリューション・アプローチにおける無効主張のポイント
4.アジアでの無効手続
・混迷するアジアの特許制度
・依然としてアジア圏で大きな影響を持つ欧州特許プラクティス
・アジア圏での無効手続のポイント
5.総合的戦略
・国際特許を完全に潰すのは難しい
・完全に潰せないなら、どうするか